論文掲載:染色体末端近傍領域サブテロメアの隠されていた機能を発見

概要
大阪大学蛋白質研究所の加納純子 独立准教授らの研究グループは、長らく不明であった染色体末端近傍領域サブテロメアの細胞内機能を明らかにしました。

生物の細胞には、遺伝情報の担い手であるゲノムDNAが蛋白質などの様々な物質と結合することによって形成される染色体と呼ばれる構造体が存在しています。近年、その染色体の最末端に局在するドメインであるテロメアの研究が急激に進み、染色体構造維持や細胞老化のタイミング制御など、生命維持に必須の役割を果たしていることが明らかになってきました。一方、テロメアに隣接するドメインである「サブテロメア」に関しては、長大な共通DNA配列を含むことによる解析技術上の困難などから研究があまり進まず、長い間細胞内機能が謎に包まれていました。
今回、加納純子准教授らの研究グループは、サブテロメアの数が非常に少ない分裂酵母を活用し、すべてのサブテロメア共通DNA配列(SH配列)をゲノムDNAから取り除いた細胞を作製することに成功しました。その細胞の様々な解析を行った結果、SH配列はサブテロメア領域の遺伝子発現の維持や、テロメア短小化時の染色体構造維持に重要な役割を果たしていることがわかりました。ヒトのサブテロメアには健康維持に重要な遺伝子が多数存在しており、それらの発現異常は筋ジストロフィーや精神遅滞など重篤な疾患を引き起こすことが知られています。従って、本研究はサブテロメア構造異常を伴う疾患のメカニズムの解明において有用であると期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nucleic Acids Research」の「Breakthrough Article」として、2017年9月14日(木)にオンライン公開されました。

詳しい内容は(英文)   NAR_Breakthrough.pdf

 

【本件に関する問合せ先】
大阪大学蛋白質研究所
独立准教授 加納純子(かのうじゅんこ)
TEL:06-6879-4328
FAX:06-6879-4329
E-mail: jkanoh[at]protein.osaka-u.ac.jp