Press Release:高齢者に多いアミロイド病の予防・治療の進展に貢献-ポリリン酸が引き起こす蛋白質異常凝集体の形成機構を解明

大阪大学蛋白質研究所後藤祐児教授のグループは、新潟大学医学部、福井大学医学部、ハンガリーのエトヴァッシュ・ローランド大学と共同で、透析アミロイドーシス(アミロイド病)の原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンのアミロイド線維形成が、ポリリン酸によって促進されることを発見しました。

ポリリン酸はリン酸が数珠状に結合した生命活動に必須の生体高分子です。また、リン酸は緩衝液としてよく使われる塩ですが、蛋白質の凝集傾向を示すホフマイスター系列によると、凝集を誘導する作用が強い塩の一つです。これまでに、ポリリン酸がいくつかのアミロイド線維の形成を促進することが、報告されています[Cremers et al., Mol. Cell 63, 768–780 (2016)]。しかし、β2ミクログロブリンのアミロイド線維形成については不明であり、また、これらに共通する促進機構も不明でした。ポリリン酸が引き起こすアミロイド線維の一般的な促進機構が明らかになったことで、高齢化社会の深刻な病気であるアミロイド病の予防や治療の進展につながることが期待されます。

本研究成果は、2019年6月10日 米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)に掲載されました。

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