Press Release: ナノシート上に集積型遺伝子回路ナノチップを創成―細胞を精密に制御し、医療応用に期待―

大阪大学蛋白質研究所 多田隈尚史助教、原田慶恵教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科 上田卓也教授、増渕岳也大学院生(現:東京大学定量研究所・プロジェクト研究員)、京都大学理学部化学科 遠藤政幸准教授、杉山弘教授は、東京大学大学院薬学系研究科 船津高志教授、飯塚怜助教、早稲田大学ナノ理工学専攻 庄子習一教授らと、遺伝子回路の集積化に世界で初めて成功しました。

遺伝子を狙い通りにオン・オフできれば、医療等に有効であると期待されます。遺伝子回路は、周囲の環境に応じてどのように遺伝子をオン・オフするかを記述する技術です。そのため、複雑な遺伝子回路の設計ができれば、その時々の状況に応じて遺伝子のオン・オフを変えられるので、細胞の運命を精密に制御できると期待されます。しかし、従来の技術では回路の複雑度に限界がありました。これは、関与する因子(酵素や標的遺伝子)が溶液中を自由に漂いながら反応する従来の技術では、意図しない反応を完全には防げないという問題がありました(1)。本研究では、ナノメートルサイズのシートの上に、関与する因子を固定化し、シート上で反応が完結するようにしました(ナノチップ)。その結果、様々な種類のナノチップを混ぜ合わせるだけで、回路を構築できるようになり、設計自由度が向上しました。

今回は、試験管内での実証実験ですが、今後、細胞や個体内での検証が期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Nature Nanotechnology」に、724日(火)午前0時(日本時間)に公開されます。

 

【研究成果のポイント】
・ナノメートルサイズのシート上に、酵素と遺伝子を集積化した、集積型遺伝子回路ナノチップを開発
1つのナノチップ上で検査と診断、応答物質のその場生産が完結、というコンセプトを試験管内で実証
・細胞の精密制御を実現する自律医療ロボットへの応用に期待

 

詳しいご説明はこちら Press-Release-180724.pdf

 

<本件に関する問合せ先>

大阪大学蛋白質研究所
助教 多田隈尚史(ただくまひさし)

TEL06-6879-8628
FAX: 06-6879-8629
E-mail: tadakuma[at]protein.osaka-u.ac.jp