最終更新日
2009年9月1日

構造生物学

生命活動のほとんどの場面で重要な実動部隊となる蛋白質。光を視覚に変え、筋肉を動かし、エネルギーを産生運搬、また2mにもなるDNAを直径10μmの核に効率よく巻き取り格納し、必要なときには取り出して複製したり修復したりする。魔法の様だが、物質(蛋白質)が物質(DNAや他の蛋白質など)に働きかけてこれらの現象が起こる以上その仕事は、歯車が噛み合い回り、隣の歯車に力を伝えると言った一般的な物理に乗っ取って行われているはずである。そこでこの精巧な分子機械の作動原理をその立体構造や化学的、静電的な性質を原子の解像度で緻密に知る事から解明しようとするのが構造生物学の立場である。それは生命の運行原理に迫る深淵な学問であると同時に、疾病の機構の解明、治療法の提案につながり、実際的な利益も大きい。