発表論文

Press Release: DNA 修復機構はいつでも守る側ではなく、破壊する側に廻ることも~新たな発がんメカニズムの理解と抗がん剤の効果を高める可能性

大阪大学蛋白質研究所の寺澤匡博特任研究員、篠原美紀准教授の研究グループは、ヒト細胞を用いて、細胞内機能(DNA 修復機構)が分裂期に限ってはたらいてしまうと遺伝情報の源であるゲノム DNA を破壊してしまうことを発見しました。

Press Release: パーキンソン病の治癒に繋がるか?原因物質アミロイド繊維の基本的性質を解明

本学蛋白質研究所後藤祐児教授のグループは、ハンガリーのエトヴァッシュ・ローランド大学、鳥取大学と共同で、パーキンソン病の原因となるアミロイド線維が、低温で完全に分解することを発見しました。アミロイド線維の変性に関する基本的性質が明らかになったことによって、パーキンソン病の予防や治療の発展につながることが期待されます。

Press Release: 細胞のアンテナ “繊毛” における蛋白質輸送の制御メカニズムが明らかになりました

大阪大学蛋白質研究所の古川貴久教授、大森義裕准教授及び茶屋太郎(大学院生)の研究チームは、繊毛の先端部において蛋白質輸送を制御する仕組みを解明し、その個体発生における重要性を明らかにしました。この成果は、繊毛の形成機構を理解する上で大きな前進となり、繊毛病による多指症や水頭症をはじめとする先天異常の発症機構の解明に繋がるものです。

電気信号により制御される水素イオンチャネルの形を原子レベルで解明 -創薬研究から分子デバイスへの応用まで、大きな波及効果に期待-

大阪大学の竹下浩平招へい研究員(蛋白質研究所)、岡村康司教授(大学院医学系研究科)、中川敦史教授(蛋白質研究所)の研究チームは、電気信号(膜電位) を利用して我々の体が病原菌を退治する際に水素イオン(プロトン)の流れを制御する電位センサー型プロトンチャネルのかたちを原子レベルで解明し、必要な時だけうまくプロトンを通す仕組みを明らかにしました。これによりプロトンの出入り口に蓋をするような化合物設計も可能となり、様々な病気に対する新規医薬品開発などに繋がることも期待されます。神経伝達や心臓の拍動に電気信号が使われていることは従来から広く知られていますが、今回明らかになった構造は、生体内での電気信号がどのように制御されているかについて、原子レベルでの詳細な情報を与える重要な成果です。この研究成果は、プロトンと生体防御ならびに様々な疾患の原因を考える上でも重要な発見であり、米国 Nature Structure & Molecular Biology 誌に掲載されました。

アルツハイマー病から脳を守る細胞内の「掃除屋」タンパク質を発見しました

蛋白質研究所高木淳一教授のグループは、ドイツのマックスデルブリュック分子医学研究所と共同で、sorLA(ソーラ)という脳内の膜タンパク質が、アルツハイマー病などの神経変性疾患発症の原因と考えられている Aβ ペプチド(アミロイドを形成するものの一種)の蓄積を防ぎ、アルツハイマー病に罹るリスクを軽減する役割を持つことを明らかにしました。この成果は我々の脳に神経変性疾患に対する自衛策がもともと備わっていることを示しただけでなく、アルツハイマー病の治療と予防のための新しい「作用点」を発見したものとして注目されます。

細胞移植に適した新しいヒト iPS 細胞の樹立・維持培養法の開発

大阪大学蛋白質研究所の研究チームは、京都大学 iPS 細胞研究所の中川誠人講師らと協力して、細胞移植治療に適した安全かつ高効率のヒト iPS 細胞の樹立・維持培養法を確立しました。この研究成果は、英科学雑誌「Scientific Reports」のオンライン版に1月8日づけで掲載されました。