発表論文

植物の葉緑体に蛋白質を運び入れる分子装置を同定 ―陸上植物の進化の謎 解明に一歩―

大阪大学蛋白質研究所生体反応統御研究室の中井正人准教授および菊地真吾研究員、Jocelyn Bedard 研究員らの研究グループは、植物葉緑体の内包膜から、分子量約100万の新奇な蛋白質膜透過装置を単離精製する事に成功し、その全構成因子を同定しました。さらに、光産業創成大学院大学の井出徹教授、平野美奈子講師との共同研究で、単離したこの複合体を脂質二重層に組み込むと、運ばれる葉緑体蛋白質と相互作用する膜チャネルとして機能する事を証明しました。

ヒト多能性幹細胞(ES/iPS 細胞)培養用フィーダーフリー培養基材

大阪大学蛋白質研究所の研究チームは、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS 細胞)をフィーダー細胞を使わずに培養できる新たな培養基材を開発し、これを用いて ヒト多能性幹細胞を安全かつ高効率に培養できることを京都大学物質–細胞統合システム拠点チームとの共同研究により明らかにしました。この成果は12月4日付けで Nature Communications 誌に発表されました。

光学顕微鏡と電子顕微鏡で同じ細胞を見ることに成功 ―「相関顕微観察法」により神経シナプスの真の姿に一歩近づく―

Higher-order architecture of cell adhesion mediated by polymorphic synaptic adhesion molecules neurexin and neuroligin(シナプス接着因子ニューレキシン・ニューロリギン複合体による高次細胞間接着構造の形成)
Hiroki Tanaka, Naoyuki Miyazaki, Kyoko Matoba, Terukazu Nogi, Kenji Iwasaki, and Junichi Takagi
http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2012.06.009

Basement membrane assembly of the integrin α8β1 ligand nephronectin requires Fraser syndrome-associated proteins

大阪大学蛋白質研究所および科学技術振興機構の共同研究チームは、Fraser 症候群関連蛋白質 QBRICK が腎臓の発生に必須なインテグリン α8β1 のリガンドであるネフロネクチンの発現を調節していることを解明しました。なお、本研究の成果は、米国雑誌「Journal of Cell Biology」のオンライン版に5月21日付けで掲載されました。

The cytoplasmic coiled-coil mediates cooperative gating temperature sensitivity in the voltage-gated H+ channel Hv1

大阪大学大学院医学系研究科と大阪大学蛋白質研究所の共同研究チームは,電位依存性 H+ チャネル VSOP/Hv1 が2量体に会合する領域を同定し、その原子構造を SPring-8 の蛋白研ビームライン(BL44XU)を使用して解析を行い、このコイルドコイル領域の熱安定性がチャネル機能の温度特性を決めるものであることを明らかにしました。なお、本研究の成果は「Nature Communications」に5月8日付けで掲載されました。

Crystal structure of α5β1 integrin ectodomain: Atomic details of the fibronectin receptor

大阪大学蛋白質研究所、理化学研究所、および横浜市立大学の共同研究チームは、X 線結晶構造解析をとおして、多細胞生物の主要な接着受容体である α5β1 インテグリンが細胞外マトリックス蛋白質フィブロネクチンを認識するメカニズムを解明しました。なお、本研究の成果は、米国雑誌「Journal of Cell Biology」のオンライン版に3月26日付けで掲載されました。

蛋白質結晶学研究室の論文 “The 2.8 Å crystal structure of the dynein motor domain”が Nature(2012) に掲載されました

この度,大阪大学蛋白質研究所の昆隆英(こんたかひで)准教授と栗栖源嗣(くりすげんじ)教授の研究グループが,細胞内で様々な物質の輸送を駆動するタ ンパク質分子モーター『ダイニン』の原子構造を決定し,この巨大な分子モーターが長い脚のような構造を使って細胞の中を歩く仕組みの一端を明らかにしました.