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X線回折法と電子顕微鏡を組み合わせることによって、原子レベルの構造研究の対象を強固な超分子のみならず離合集散する超分子に拡げる。原子レベルの研究の分子量限界を1億Da以上にする。巨大な超分子の原子レベルの立体構造に基づいて、そこで営まれている高度に制御された、働きの原子機構と集合体形成の仕組みに迫るものである。
これは、原子レベルの構造機能の研究を個々の蛋白質の構造と機能の研究から、強固な構造を保つ超分子、さらには離合集散し一時的に構造体を形成する超分子にまで拡げるもので、次世代の構造生物学の創成を目指す。
ゲノム及びポストゲノムプロジェクトの網羅的研究により、人類は生命の根本原理の完全理解に迫ろうとしている。この新局面を向かえた生命科学では、遺伝子とその主要産物である蛋白質の1:1対応を基盤とした研究を越え,個々の蛋白質が生体内で素子として働く超分子装置の研究が重要になって来た。その構造を原子分解能で決定し、それに基づいて機能及びその構造構築機構の原子レベルでの理解を深めることに意義が有る。
現在、構造解析に基づいた研究は構造決定によって得られたリボン図が得られるに十分な精度の構造と豊富な生化学、分子生物学的研究の組み合わせによって生命現象の理解を深めるのが主流であり、大きな成果を得ている。生化学、分子生物学的研究による支えは今後とも不可欠であるが、構造そのものが生命現象の本質に迫るためには、化学に結び付けることのできる構造が必要になる。超分子場において展開されている化学現象は均一溶液場や蛋白質表面における化学とは異なっている。原子レベルの構造に基づいて、超分子場の化学、言い換えれば1分子の内部で起っている化学過程の解明を目指す。ここに如何なる大きさの超分子も原子レベルで構造解析する意義と必要性が有る。
超分子の立体構造には、遷移状態の構造等どうしても実験的手法では決めることのできない、その機能を理解するためには不可欠な構造もある。これらの構造と機能の解析を、定常状態の構造を基に理論的に行う手法を開発して、生命現象の理解する上で構造生物学の有効性を飛躍させる。
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