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pre-microRNA(プレ-マイクロRNA)核外輸送複合体の立体構造を決定

2009年12月16日

A High-Resolution Structure of the Pre-microRNA Nuclear Export Machinery Pre-microRNA核外輸送複合体の高分解能構造

Chimari Okada, Eiki Yamashita, Soo Jae Lee, Satoshi Shibata, Jun Katahira, Atsushi Nakagawa, Yoshihiro Yoneda, and Tomitake Tsukihara

Science vol.326 1275-1279(2009)

 

http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/326/5957/1275 

 

大阪大学蛋白質研究所、兵庫県立大学生命科学研究科ピコバイオロジー研究所等の共同研究チームは、SPring-8大阪大学蛋白質研究所専用ビームライン・生体超分子構造解析ビームラインBL44Xを用いて、タンパク質合成を抑制する小さなRNAを選択的に輸送する仕組みを解明した。なお、本研究の成果は、1127日発行の米国雑誌「Science」に掲載されました。

 

[研究の背景及び成果]

  ヒトの細胞では数万種類のタンパク質が生命の営みを支えている。それらは常に必要なわけではなく、不必要なときには合成が抑制されている。そうしたタンパク質合成抑制に関わる小さなRNA(マイクロRNAと呼ぶ)があり、そのRNAによるタンパク質合成の抑制をRNA干渉と呼ぶ。その働きの重要性を鑑みて、RNA干渉の発見者には2006年にノーベル医学生理学賞が贈られた。

 このマイクロRNAのもととなるプレ-マイクロRNAは核で合成される。核から細胞質に運ばれて、2つに切断されて一方がマイクロRNAになる。核から細胞質へのプレ-マイクロRNAの輸送は、エキスポーティン5とランという2種類のタンパク質によって行われる。このたびはエキスポーティン5とランおよびRNA3者が核内で結合している構造〔図〕をスプリング8X線を使って決定し、運搬の仕組みを明らかにした。核では無数のRNAが合成されており、そのうちRNA干渉に関与するプレ-マイクロRNAはヒトでは約700種類見つかっている。このたびの構造研究では、約700種類のプレ-マイクロRNAだけが選ばれて核から細胞質に運ばれる不思議な蛋白質の働きを明らかにし、RNA干渉を円滑に進める仕組みを解明した。

 マイクロRNAの中には、ある種のがんの発症、C型肝炎ウイルスやエイズウイルスの増殖などの関わるものが見つかっていることから、この研究を基盤として、それらのマイクロRNAの機能の調節に関わる研究を進展させることができれば、これらの疾病の予防や治療に貢献する可能性がある。

 

図.pdf 

 

記事掲載新聞: 神戸新聞200911月27日朝刊、読売新聞(大阪)200911月28日夕刊

日刊工業新聞200911月27日 日経産業新聞200911月27

 

 

 

 

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