SPring-8生体超分子複合体構造解析ビームライン
(大阪大学蛋白質研究所)BL44XU

【設置年】平成11年 (平成13年、平成15年、平成18年、平成21年、平成23年、平成24年、平成27年、平成30年更新)
【装置概要】
光源:アンジュレータ
光学系:液体窒素冷却式二結晶分光器、水平および垂直集光ミラー
検出器:光子検出型二次元検出器(Eiger 16M)

【概要】
生体超分子複合体のX線結晶構造解析を行うために大型放射光設備SPring-8に設置した専用放射光ビームライン(生体超分子構造解析ビームライン(大阪大学蛋白質研究所)BL44XUを利用した共同利用実験を行う。年1回の共同利用実験課題の募集の他、緊急課題として随時受け入れを行っている。全ユーザータイムの50%以上を共同利用実験に供している。本ビームラインは生体超分子複合体結晶からの回折強度データを測定するための世界最高性能を有している。

超高磁場溶液NMR装置群

【設置年】平成22年(平成25年、平成26年更新)
【装置名】
950、800 MHz 核磁気共鳴装置(BRUKER社製)
分光器:AVANCE Ⅲ 950; AVANCE III HD 800 (平成25年度 更新)
検出器:極低温三重共鳴プローブ (1H,13C,15N)

【概要】
世界最大級 の超高磁場核磁気共鳴(NMR)装置および周辺機器を整備している。一般的なNMR装置では観測できないような、高分子量、低濃度の蛋白質分子複合体や有機低分子の立体構造、動態ならびに相互作用を解析することを目的とする。

固体NMR装置群

【設置年】平成13年(平成18年、平成25年更新)
【装置名】
500MHz, 700MHz 固体NMR装置
600MHz/396GHz 超高感度固体DNP-NMR装置
700MHz/461GHz 超高感度固体DNP-NMR装置

【概要】
脂質二重膜にある蛋白質やアミロイド蛋白質のように非結晶固体状態にある生体分子の構造や運動性、機能を評価することを目的とする。超偏極法による超高感度DNP-NMR装置では,高出力サブミリ波を発生させるジャイロトロンと循環Heガスによる極低温高速試料回転機構を備える。これによりNMR感度を1000倍以上向上させて世界最高クラスの性能を有している。

クライオ電子顕微鏡群

【設置年】平成24年(平成27年、平成29年更新)
【装置名】
120kV H-7650(平成22年)
200kV JEM-2200FS(平成24年)
300kV Titan Krios G2(平成27年)
200kV Talos Arctica(平成29年)

【概要】
2017年のノ−ベル化学賞受賞にもなったクライオ電子顕微鏡法の中でも最先端の技術で測定できる装置群を整備。精製した生体分子の単粒子再構成法の実施を主とする。電子直接検出カメラを備えたクライオ電子顕微鏡を3台有し、原子モデル構築可能までの高分解能解析が可能で、2.3Å解析の実績がある。その他、加圧凍結装置やクライオミクロトーム等周辺機器も充実しており、細胞・組織の切片観察も可能である。

生体超分子構造解析装置

【設置年】平成11年
【装置名】
Q-TOF II (MS/MS)

【概要】
生体物質の生体内での機能、働きを理解するには、その化学構造を明らかにすることが必要不可欠である。しかし、生体から得られる試料は微量で、種類、性質においても多種多様であり、通常の方法では構造解析は困難な場合が多い。生体超分子構造解析装置は、エレクトロスプレーイオン化法を主たる特徴としたタンデム質量分析計で、サブピコモルレベルでの検出感度を維持しており、特に、蛋白質、ペプチド、糖鎖の高感度検出、並びに、構造解析を目的として使用している。

高輝度X線回折装置

【設置年】平成15年 (平成23年、平成28年更新)
【装置名】
X線発生装置:リガク社 FR-E SuperBrightTM, Confocal VariMax Mirror
検出器:リガク社 XtaLAB SynergyCustom およびR-axis IV++

【概要】
本システムは、蛋白質の立体構造を効率的に解析し、構造及び機能プロテオミクス研究を推進するための装置である。超高輝度X線回折装置は、微小な蛋白質単結晶からの回折強度データを短時間に高精度で測定するための装置であり、実験室系の蛋白質用単結晶X線回折計としては世界最高の輝度を有している。

利用状況

【SPring-8生体超分子複合体構造解析ビームライン(大阪大学蛋白質研究所)BL44XU】

平成27年度 平成28年度 平成29年度
実稼働実績 合計169日(4056時間) 合計173日(4152時間) 合計188日(4512時間)
拠点内利用 834時間(24課題) 1052時間(24課題) 906時間(21課題)
共同利用 2166時間(46課題) 2140時間(56課題) 2718時間(68課題)
創薬等プラットフォーム枠 432時間(9課題) 360時間(8課題) 240時間(5課題)
その他・保守等 624時間 600時間 648時間

 

【超高磁場溶液NMR装置群(800MHz, 950MHz)】

平成27年度 平成28年度 平成29年度
実稼働実績 合計594日(14256時間) 合計621日(14894時間) 合計691日(16568時間)
拠点内利用 7848時間(21課題) 9490時間(27課題) 8052時間(20課題)
共同利用 2256時間(9課題) 3640時間(13課題) 5978時間(15課題)
産業利用 1752時間(11課題) 1020時間(12課題) 1140時間(12課題)
その他・保守等 2400時間 744時間 1398時間

 

【クライオ電子顕微鏡群】

平成27年度 平成28年度 平成29年度
実稼働実績 合計985時間 合計4469時間 合計6912時間
拠点内利用 285時間(7課題) 1053時間(12課題) 1311時間(6課題)
共同利用 418時間(11課題) 2621時間(25課題) 4804時間(30課題)
産業利用 82時間(4課題) 197時間(2課題) 225時間(2課題)
その他・保守等 200時間 623時間 571時間

 

【生体超分子構造解析装置】

平成27年度 平成28年度 平成29年度
実稼働実績 合計177日(4248時間) 合計157日(3768時間) 合計164日(3936時間)
拠点内利用 3888時間(18課題) 3528時間(11課題) 3624時間(9課題)
共同利用 312時間(6課題) 192時間(5課題) 264時間(6課題)
その他・保守等 48時間 48時間 48時間