マトリクソーム科学(ニッピ)研究室

メンバー

寄附研究部門教授 関口 清俊
寄附研究部門助教 藤田 和将
助教 山田 雅司(兼)

 

連絡先

電話番号 06-6105-5935
ファックス番号 06-6105-5936
メールアドレス
URL http://www.protein.osaka-u.ac.jp/matrixome/

研究概要

本研究室では、“動物組織の構築原理を細胞外マトリックスの機能解明を通じて理解する” ことを大きなテーマとしている。動物細胞の周囲に形成される細胞外マトリックスは、単なる細胞間の詰め物ではなく、その中には細胞の生存を維持し、増殖・分化を制御する様々な情報がバーコードのように書き込まれている。細胞はインテグリンに代表される細胞表面のセンサー分子を使ってこのバーコード情報を読みとり、その情報に基づいて細胞内のシグナル伝達系と骨格系を制御している。本研究室では、細胞外マトリックスを構成する蛋白質の構造と機能の解明を通じて、細胞外マトリックスに書き込まれた情報の実体を明らかにするとともに、この情報がインテグリンのようなセンサー分子を介してどのように細胞内に伝達され、それが細胞の増殖・分化をどのように制御しているかを分子レベル、細胞・組織レベル、個体レベルでそれぞれ解明することを目標としている。また、そこで得られた知見に基づき、細胞ごとにカスタマイズされた細胞外マトリックスの再構築を通じて、多能性幹細胞(ES, iPS)や組織幹細胞を含む様々な細胞を生体外で培養・維持するための新しい方法論の開発を行っている。

図1. 細胞は細胞外マトリックスへの接着を通じて生存を維持するとともに、増殖・分化を制御している。
マトリクソーム2

図2.(左)ラミニン511とその活性フラグメントの模式図。ラミニン活性断片は全長ラミニン511と同等のインテグリン結合活性を保持している。(右)ラミニン511活性フラグメントを用いて樹立されたヒトiPS細胞。皮膚線維芽細胞だけではなく、血球細胞や臍帯血からもiPS細胞の樹立が可能である (Nakagawa et al., Sci. Rep., 2014)。

 

 

 

 

 

研究課題

  1. 発生における基底膜蛋白質の網羅的な局在解析
  2. 基底膜ラミニンとインテグリンの相互作用の構造的基盤の解明
  3. 組換えラミニンおよびそのフラグメントの再生医療への応用
  4. 新たに同定された細胞外マトリックス蛋白質の生理機能の解明

 

発表論文

1  . Polydom is an extracellular matrix protein involved in lymphatic vessel remodeling. Morooka, N., et al. Circ. Res. 120:1276-1288 (2017).

2  . Laminin-guided highly efficient endothelial commitment from human pluripotent stem cells. Ohta, R., et al. Sci. Rep. 6:35680 (2016) doi: 10.1038/srep35680.

3  . Molecular basis of the ligand-binding specificity of alphavbeta8 integrin. Ozawa, A., et al. J. Biol. Chem., 291:11551-1165 (2016).

4  . Molecular basis of laminin-integrin interactions. Yamada, M. and Sekiguchi, K. Curr. Top. Membr. 76:197-229 (2015)

5  . A novel efficient feeder-free culture system for the derivation of human induced pluripotent stem cells. Nakagawa, M., et al. Rep., 4: 3594 (2014) doi: 10.1038/srep03594.

6  . Basement membrane assembly of the integrin alpha8beta1 ligand nephronectin requires Fraser syndrome-associated proteins. Kiyozumi, D., et al. J. Cell Biol., 197:677-689 (2012)