X線結晶構造解析とは

レントゲンにより1895年に発見されたX線は、X線撮影などで皆さんにもおなじみのことでしょう。

このX線を物質に当てると、多くはそのまま物質を突き抜けていきますが、一部は、吸収されたり、原子核のまわりを回っている電子によって散乱されたりします。X線解析とは、この散乱されたX線を観測することにより、物質の中の電子の分布、すなわち、物質の3次元構造を知る手法です。

X線の散乱は、物質中のあちこちで、全ての方向にむかって起こります。私たちはそれらがいっしょくたになったものをしか、観測することができません。

ところで、X線は電磁波の一種ですので、波としての性質を持っています。この性質の一つに、干渉を起こすということがあります。これにより、ある特定の向きにだけX線が強くなり、他の向きではX線が観測されないということが起こります。この現象が回折です。こうして得られた回折像の位置や強さから、計算により、物質の構造についての情報を求めることができるのです。

回折は、気体や液体、粉末でも起こりますが、特に単独の結晶による回折像は、多数のシャープな斑点として現れます。結晶は、原子や分子が3次元的に規則正しくくり返されて並んでいるためで、斑点の位置や強さから計算して、原子や分子の位置を知ることができます。

大阪大学蛋白質研究所 プロテオミクス総合研究センター 超分子構造解析学研究系 中川敦史研究室