脳・神経系の総合プロテオミクスプロジェクト


大阪大学たんぱく質研究所では, 文部科学省「タンパク3000プロジェクト 個別的解析プログラム(脳・神経系)」の中核機関として,本年度より, 脳・神経系の構造プロテオミクスに関する研究プロジェクトを開始した.このプロジェクトは, たんぱく質研究所においてこれまで研究されてきた, 神経細胞の発生・分化及び, 脳・神経系において生命機能に深く関わっているタンパク質とそれらに関連するタンパク質を中心として, その構造解析および機能解析を行うことを目的としている.

本プロジェクトは, 発現システムやX線結晶解析およびNMR構造解析に関する方法論など構造プロテオミクス研究を推進する上で重要な基礎技術の開発と, 脳・神経系に関与する生物学的に重要な一連のタンパク質の構造及び機能を解明する2つの柱から構成されている. また, 本プロジェクトで対象としているサンプルの大部分は,哺乳類由来で不安定でしかも微量しか得られないものが多いため, プロジェクトの遂行にあたって, 数多くの困難が予想されるが, それらを解決していくことも重要な課題の1つである.

神経細胞の発生・分化及び, 脳・神経系において生命機能に深く関わっているタンパク質とそれらに関連するタンパク質の構造と機能の関連を網羅的に解明し, これらの構造と機能の関連が明らかにすることができれば, 脳や神経といった高等生物に特有の機能を原子レベルで理解していくという学問的な重要性の他に, アルツハイマー病や自律神経失調症, うつ状態, 不眠, 時差ぼけといった脳や神経系での疾病や障害に対しての治療薬の開発に向けての重要な知見が得られることが期待される.

本プロジェクトは,大阪大学の3大学院および2研究所,愛媛大学,岡山大学,関西学院大学,高輝度光科学研究センター,信州大学,東京医科歯科大学,東京大学,徳島大学,名古屋大学,奈良先端科学技術大学院大学,兵庫県立大学,広島大学との共同プロジェクトである.


〒565-0871 吹田市山田丘3−2
大阪大学蛋白質研究所 プロテオミクス総合研究センター
超分子構造解析学研究系

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Inst. Protein Res.

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Osaka Univ.