固体NMRで何ができるの?
固体NMR法は水に溶けず、純粋でも単分散でも結晶でもない分子系を対象に、分子量の上限なく立体構造・運動性の情報を原子分解能で得られる稀な手法である。これにより脳神経疾患をおこす
ただ固体NMRの方法論は急速に発展しているものの、技術的課題も多い。例えばブラウン運動の不在によって残る強いスピン間相互作用が個々のNMR信号を太く弱くすることによる信号の縮退(重なり合い)と低感度である。しかしそこがいいのだ。西部開拓民のように手探りで自ら切り拓いたフィールドからは、得るものも大きい。今でも挑戦的な解析対象には自らの手で必要な実験スキーム、解析法から装置まで、一から構築する必要がある。これは骨が折れるが面白い。我々の研究室の核心部分である。