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大阪大学蛋白質研究所 蛋白質化学研究部門

教授 関口 清俊 (Kiyotoshi SEKIGUCHI) sekiguch
(***@protein.osaka-u.ac.jp)
生年月日 1950年10月
現職 大阪大学蛋白質研究所 教授
大学院所属専攻 大阪大学理学研究科生物科学専攻
(化学専攻を兼担)
趣味 買っても完読しないことが多くなった読書、30分と続かなくなったテニス、最近は滅多に行かなくなったハイキング。
略歴
1973年3月 東京工業大学理学部化学科卒業
1978年3月 大阪大学大学院理学研究科生物化学専攻修了(理学博士)
1979年3月 米国Fred Hutchinson Cancer Research Center博士研究員
1984年1月 米国ワシントン大学病態生物学科助教授(併任)
1986年5月 藤田保健衛生大学医学部講師
1990年6月 藤田保健衛生大学医学部助教授
1991年4月 大阪大学微生物病研究所助教授
1991年7月 大阪府立母子保健総合医療センター研究所部長
1992年4月 大阪府立母子保健総合医療センター研究所所長
1998年4月 大阪大学蛋白質研究所 蛋白質化学構造研究部門教授
2000年10月 科学技術振興機構創造科学推進事業(ERATO)関口細胞外環境プロジェクト総括責任者(2006年3月まで)
2007年4月 大阪大学バイオ関連多目的研究施設長(併任)
少し長めの自己紹介
 生まれは、北海道・苫小牧市。父親の転勤に伴い、小学校までは北海道と東京を何度も往復。東京都大田区立大森第6中学校から東京都立日比谷高等学校をへて東京工業大学理学部化学科卒業(1973年)。理論物理をやりたくて大学に入るも、途中からセントラルドグマの魅力に取り憑かれて生物化学に転向。大学院は、蛋白質研究の中心地であった大阪大学蛋白質研究所を選び、故佐藤了先生の研究室で浅野朗先生(当時助教授)の指導のもと細胞融合現象の生化学的研究を行う。学位論文の題名は「赤血球ゴーストを用いた細胞融合反応の解析」。大学院在学中に、当時阪大微研にあった岡田善雄先生の研究室や京大理学部にあった大西俊一先生の研究室に時々出入りさせてもらったことがとてもよい刺激と経験になった。

 学位取得後、1年間のオーバードクターを経て、前々から希望していた米国に留学。たまたまJ. Biol. Chem.で見つけた論文に惹かれて、シアトルにあるFred Hutchinson Cancer Research Centerの箱守仙一郎先生の研究室の門をたたく。そこではじめたフィブロネクチンの研究を今でも飽きずに続けている。箱守先生との出会いが、私の場合、研究者としての人生の一番大きな転機であったと思う。今はIchiroとKazで有名になったシアトルは、本当に風光明媚で住みやすい街だった。7年を越える箱守研での研究生活で、研究者のあり方、研究の進め方、論文の書き方など、独立した研究者としてやって行く上で必要な多くのことを先生の背中を見ながら学んだ。

 長男が小学校に入り、このまま米国に永住かと思っていたとき、第2の転機が訪れる。同じシアトルにあるワシントン大学生化学教室の教授をしておられた千谷晃一先生に声をかけて頂き、千谷先生と一緒に藤田保健衛生大学に創設されたばかりの総合医科学研究所に移る。千谷先生には、名古屋での5年間、自分のやりたいことを自由にやれる素晴らしい環境を与えていただいた。蛋白質の構造を通した生命現象の捉え方のお手本を直に見せて頂いただけでなく、研究室を主宰するボスがどうあるべきか、そしてどうやって人を育てるかを学んだ。ちなみに、千谷先生と箱守先生には共通する人間的な魅力がある。

 1991年、千谷先生の紹介で大阪府母子医療センターに新設された研究所に移り、はじめて独立した自分の研究室を持つ。4研究部門、常勤研究員10名というこじんまりした研究所であったが、高い目標を目指して互いに切磋琢磨する研究環境がそこにあった。移った翌年、様々な事情から研究所の所長を兼務することになり、研究所で行われている研究が病院に来られる患者さんに、そして広く社会全体にどのように役立っているかを説明しなければならない立場に立たされる。基礎研究の牽引力はあくまで研究者の個人的な興味であると思っているが、国の税金で研究をさせてもらっている以上、それ相応のアカウンタビリティーが求められるということを初めて理解した。もっと気楽に好きな研究だけしていたい、という思いが次第に強くなる。

 そのような時、第3の転機が訪れた。古巣の蛋白研の教授選にでるよう薦めて頂き、まさかと思いつつ応募したところ、幸運にも最後まで残ってしまった。蛋白研で大学院を終えてから20年。居場所は7階から6階に移ったが、また蛋白研で研究ができることをとても嬉しく思っている。日本の蛋白質研究、バイオインダストリーをリードする多くの俊英を輩出してきた研究室の伝統を引継ぎつつ、これまでとは違った自分なりの方法論で21世紀の生命科学にしっかりと貢献できる研究室を作ってゆきたい。

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