薬剤排出蛋白質複合体の構造生命科学研究

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図1 MexAB-OprM複合体のモデル

緑膿菌による院内感染において、薬剤排出蛋白質複合体MexAB-OprMの構造解析と薬剤排出機構の解明を目指して研究を進めています

近年、抗生物質への耐性を獲得した細菌が出現し、さらに、複数の抗生物質への耐性を獲得した多剤耐性細菌まで出現してきています。このような多剤耐性細菌が、免疫力の低下した患者に感染すると抗生物質が効かず治療が非常に困難など臨床上大きな問題となります。数ある多剤耐性細菌のひとつとして緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)があり、緑膿菌の多剤耐性化の主な原因の1つに3種類の蛋白質から構成される巨大な多剤排出複合体の過剰発現が知られています。

私たちは、構造的観点から多剤耐性化のメカニズムの解明、さらに、基質認識の知見を得ることを目的として、この巨大な蛋白質複合体の構造解析に挑戦しています。

 

References

  • H. Akama  et al., J. Biol. Chem., 279, 52816-52819 (2004).
  • H. Akama et al., J. Biol. Chem., 279, 25939-25942 (2004).