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研究成果

プレスリリース

2019.12.12

細菌の動きを封じる!クライオ電子顕微鏡により 細菌べん毛モーターの回転力を伝達する分子メカニズムを解明

大阪大学蛋白質研究所の加藤貴之教授および大学院生命機能研究科の難波啓一特任教授らの研究グループは、細菌べん毛モーターの回転をプロペラであるべん毛にスムーズに伝えるナノサイズのユニバーサルジョイントの分子メカニズムを明らかにしました。

  • 【研究成果のポイント】
  • ・分子モーターの回転力をプロペラであるべん毛にスムーズに伝達するユニバーサルジョイントのメカニズムを原子レベルで解明。
  • ・機能状態でらせん状に曲がったままのユニバーサルジョイントの構造解析は不可能と思われていたが、クライオ電子顕微鏡像の単粒子像解析法により高分解能の構造解析に成功。
  • ・細菌の運動と病原性には密接な関連性があり、解明された構造は、ナノデバイスの設計のみならず、新規の抗生物質の開発にもつながる成果である。

これまでべん毛のユニバーサルジョイントである“フック”の構造は、解析しやすい直線状に調整された試料でしか解析されていませんでした。

今回、加藤教授、難波特任教授らの研究グループは、クライオ電子顕微鏡を用いて機能状態でらせん状に曲がったフックの自然な形のままでの構造解析に成功し、ユニバーサルジョイントとして機能するメカニズムを原子レベルで明らかにしました。これにより、ナノデバイスの設計や新規抗生物質の開発に役立てることが期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に、11月22日(金)19時(日本時間)に公開されました。

 

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