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ACHIEVEMENTS研究成果

ACHIEVEMENTS

研究成果

プレスリリース

2020.11.24

疎水性パッキングがゆるくても折り畳み能を示し超安定な人工タンパク質

分子科学研究所 協奏分子システム研究センター/生命創成探究センター 生命分子創成研究グループの古賀理恵特任研究員、山本真実大学院生(総合研究大学院大学、当時)、小杉貴洋助教、古賀信康准教授、理化学研究所放射光科学研究センターの小林直宏上級研究員(大阪大学蛋白質研究所、以前)、大阪大学蛋白質研究所の杉木俊彦特任助教(常勤)、藤原敏道教授の研究グループは、これまでに設計した人工タンパク質が構造内部の強固な疎水性パッキングを失っても、折り畳み能と高い熱安定性を有していることを発見しました。

本研究成果は、学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に2020年11月24日 午前5時(日本時間)にオンライン掲載されました。

  • 【発表のポイント】
  • ・これまでに創製された人工タンパク質は変性温度が100 ℃以上と超安定
  • ・人工タンパク質の安定性の仕組みを解明すれば、耐熱性タンパク質創出への道が拓ける
  • ・局所および非局所(#1)両方について多くの相互作用を形成している“ハブ”残基が安定性に大きく寄与していることが明らかになった
  • ・タンパク質構造内部を形成する疎水性アミノ酸残基の大半をサイズの小さい残基(バリン)に置換し、疎水性パッキングをゆるめても、置換前と同様の構造に折り畳み、100 ℃以上の熱安定性を示すことが明らかになった
  • ・人工タンパク質の高い熱安定性は、疎水性アミノ酸残基による側鎖パッキングというよりも、主鎖構造に起因することが示された
  • ・自然界のタンパク質の耐熱化および新規機能性タンパク質創出のための土台となる安定な構造の創製に貢献できると期待される

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