蛍光性ナノダイヤモンド(FND)はその安定な発光特性・生体適合性から生体イメージングプローブとして注目されています。しかし、FNDで狙った分子を標識する技術は成熟しておらず、その利用は制限されていました。本研究ではまず、FND表面に対し、末端にアルキンを有し高分散性・ステルス性を付与するポリマーで修飾する簡便な方法を開発しました。このFNDはクリックケミストリーを介して狙った分子を標識することができ、低分子蛍光剤と比較しても遜色ない高選択な分子標識が可能になりました。また、生きた細胞膜上に発現した蛋白質の動きを、低分子蛍光剤では達成が難しい2時間以上に渡って追跡することにも成功しました。
今後、本技術を使う事で、細胞機能の詳細を明らかにできると期待されます。

Bioorthogonal Fluorescent Nanodiamonds for Continuous Long-Term Imaging and Tracking of Membrane Proteins
Feng-Jen Hsieh, Shingo Sotoma (Co-1st), Hsin-Hung Lin, Ching-Ya Cheng, Tsyr-Yan Yu, Chia-Lung Hsieh, Chun-Hung Lin*, Huan-Cheng Chang*
ACS Applied Materials & Interfaces, In press,
DOI: 10.1021/acsami.9b03640

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