染色体の末端構造であるテロメアは染色体の機能の発現には重要な役割を果たしています。
テロメア長は一般にテロメア合成酵素テロメラーゼにより伸長を受け、維持されていますが、テロメラーゼが機能しない時でも細胞はテロメアを維持することができます。
例えば、ある種の癌細胞ではテロメラーゼが発現していないにも関わらず無限に増殖することができます。
このような細胞では相同組換えがテロメラーゼ不在時のテロメアの伸長を保証していると考えられています。
テロメア伸長に関わる組換えには2経路あり、そのうち一方はRecAホモログのRad51に依存していません。
つまり今まで知られていないメカニズム(RecA, Rad51に依存しない形)で相同鎖の検索や交換反応を行なっていると考えられます。パン酵母をモデル系として、このRad51に依存しないテロメアの伸長反応の分子機構の解析を行なっています。